
経営者や管理職は、会社の目標を何度も伝えている。しかし、現場の社員からは「会社がどこへ向かっているのかわからない」という声が出る。この食い違いは、多くの組織で起きています。
問題は、説明の回数だけではありません。「伝えたこと」と「相手に届いたこと」は同じではないからです。
目標が見えないと、社員は未来を想像できない
組織で起きやすい問題の一つに、「会社の方向性や目標が見えない」という状態があります。経営側には明確な目標があっても、現場の社員が自分の仕事とのつながりを理解できなければ、目標は存在していないのと同じです。
先が見えない状態が続けば、「ここで働き続けて大丈夫だろうか」という不安が生まれます。特に若手社員にとって、会社の未来と自分の成長が結びつかないことは、離職を考える理由になり得ます。
「言っているつもり」を生む3つのずれ
- 言葉のずれ:経営用語や抽象的な表現が多く、現場の行動に置き換えられていない
- 視点のずれ:経営者には当然の背景情報を、社員も知っている前提で話している
- 確認のずれ:説明した後、社員がどう受け取ったかを確かめていない
一方向に話すだけでは、このずれに気づけません。社員の理解を確認し、質問や違和感を言葉にできる場が必要です。
目標を「自分の仕事」に変える対話
目標を伝えるときは、数字やスローガンに加えて、次の3点まで言葉にします。
- なぜ今、この目標が必要なのか
- 達成すると顧客・会社・社員にどんな変化が起きるのか
- 各部署や一人ひとりに、どのような行動を期待しているのか
そのうえで、「どう理解したか」「現場で難しい点は何か」を社員から聞きます。伝達ではなく往復の対話にすることで、目標は初めて共通のものになります。
目標共有は、一度の発表で終わらない
人は一度聞いただけでは、考え方や行動を変えられません。日々の会議、面談、振り返りの中で、目標と仕事を繰り返し結びつける必要があります。
「伝えたのに動かない」と感じたときこそ、社員の意欲を疑う前に、目標がどのように届いているかを確認してみてください。