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部下に強く言うほど動けなくなる。脳の防衛反応から考えるマネジメント

上司の強い言葉で部下の防衛反応が働き、思考が止まる様子を表したイラスト

部下に危機感を持ってもらおうと、強い言葉で注意する。失敗を防ぐために、細かく指摘する。ところが、伝えれば伝えるほど部下が黙り、判断や行動が遅くなることがあります。

これは「最近の若者は打たれ弱い」という話だけではありません。否定や圧力を受けたときに働く、脳の防衛反応という視点から考える必要があります。

強く言えば動く、とは限らない

不安をあおられたり、怒られる恐れを感じたりすると、普段ならできることでも失敗しやすくなります。人は論理だけで動いているのではなく、自分を守る反応の影響も受けているからです。

上司は成果を出してほしくて言っている。部下は責められないことを優先して動けなくなる。双方の意図がずれたまま、「言っても動かない部下」「何をしても怒る上司」という関係が固定されていきます。

ハラスメントを恐れて、何も言えなくなる上司

一方で、強く言うことを避けるあまり、必要な指導までできなくなっている管理職もいます。「これを言ったらハラスメントになるのでは」と考え、曖昧な表現に終始すれば、部下は何を期待されているのかわかりません。

求められるのは、厳しさをなくすことではありません。人格を否定せず、事実・影響・期待する行動を具体的に伝えることです。

部下の思考を止めない伝え方

  1. 事実を伝える
    「いつも遅い」ではなく、いつ、何が、どの状態だったかを示します。
  2. 影響を共有する
    その行動が顧客、チーム、業務にどう影響したかを説明します。
  3. 相手の認識を聞く
    決めつける前に、本人には何が見えていたのかを確認します。
  4. 次の行動を合意する
    精神論ではなく、いつまでに何をするかを一緒に決めます。

自分の反応を知ることから始まる

上司にも部下にも、無意識に出やすいコミュニケーションのパターンがあります。自分がどのような場面で強く言いすぎるのか、黙ってしまうのか、結論を急ぐのか。自分の傾向を理解すると、相手との違いを性格の良し悪しで判断しにくくなります。

部下を変える前に、まず自分の反応を知る。そこから、安心と成果を両立するマネジメントが始まります。